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【Thomas Barthen:トーマス バルテン】

ユルツィッヒやピースポートのように畑に囲まれた村ではなく、畑から離れたケラーライも点在するエリアにバルテンはあります。正直、そんな雰囲気にワイングートとは名ばかりのケラーライではないかと不安を覚えました。しかし、話を聞いているうちにそんな不安は払拭され、逆に、ドイツワインとして売れていく要素を存分に秘めた、可能性の大きな生産者であると感じました。特にコストパフォーマンスへのこだわりは他のモーゼルの生産者には見られない部分です。
〔バルテン家&トーマス バルテン〕
トーマス バルテンは三代目で42 歳。父の時はもっと規模が小さく、混合農業を行っていましたが、今はワイン造りだけをしています。葡萄以外の畑は他の人に貸しています。バルテン家はずっと以前からワイン造りに携わっていましたが、戦争で家とワイングートを破壊されて、ワイングートであることを証明するものを全て失ってしまい、その後ワイングートとは名乗っていませんでした。トーマスは、ベルンカステルとバッドカステルの醸造学校でワイン造りを6 年間勉強しした。最初はただ継いだだけでしたが、やるうちに情熱が湧いてきたそうです。
〔所有する畑 − 著名な畑を筆頭に〕
ツェルティンガー ゾンネンウーア(0.5ha)、ヴェレナー ゾンネンウーア(0.3ha)の著名な畑を筆頭に、ワイングートのあるプラッテン クロスターベルク(1ha)、オーザン、ケステナー、モンツェラーなどを所有しています。元々はプラッテンとオーザンに2.5ha に所有するだけでしたが、トーマスの代になって、ツェルティンゲンやヴェレナーの畑を購入しました。それらの有名な畑はほとんど売りに出されないので、ツェルティンゲンの畑は僅か0.5ha ですが、4 人から買い取ったものです。
〔自然な造りへのこだわり〕
畑での作業や醸造において、出来る限り自然な造りを心がけています。ただし、樹が病気になった場合は、完全にそれを取り除くために手を尽くし、必要に応じて薬も使用します。酵母は、天然酵母しか使いません。減酸も、天然酵母を使い12〜13℃で通常より長い8〜12週間かけて発酵させることで行っています(ちなみに通常は4週間発酵してその後石灰を使い減酸し、ビオロジカルな方法では、澱に寝かせてマロラクティック発酵のようにして減酸しています)。ボトリングは、空気に触れさせずしっかりとした完全な方法で行いたいので、すぐ近くの認証をとった確実な場所で行っています。
〔特殊な耕作機械の使用 − コストパフォーマンスと自然な減酸の実現〕
トラクターのような見かけですが、葡萄の葉をカットする機械です。急斜面の多い南チロルで考案されたもの。ゴム製のバキュームで葉を取り、破砕し、それを畑に撒きます。畑の高い位置にしっかりとワイヤーで固定して使用するため、急斜面の畑を一人で作業することが出来ます。これが、バルテンのワインのコストパフォーマンスの高さの理由です。また、今はボトリティスが好まれない傾向のため、貴腐菌が付かないよう他では薬を撒きますが、バルテンはこの機械で葡萄の周りの葉をすべて除去することで対応しています。薬を撒くと天然酵母がうまく働かなくなり、減酸が出来なくなるからです。

     


辛口には攻撃的な酸はいらないと考え、マロラクティック発酵させています

KA−409 2021  Barthen Rirsling Trocken Q.b.A.

バルテン リースリング トロッケン クーベーアー 750ml  
《白》【辛口】
葡萄品種:リースリング
残留糖度:8.5g/l (`20年参照)
酸度:6.7g/l(`20年参照)

オーザン、モンツェル、ケステン、プラッテンなどの村の葡萄を使用しています。
全体の50%が急斜面です。
トーマスは、辛口には攻撃的な酸はいらないと考え、マロラクティック発酵することによって、
酸を抑え、骨格を与えています。
ただし、VTによって酸の高低があるため、マロラクティック発酵をする、しない、一部のみするといった具合に使い分けています。
`18VTは、暑い年だったため、酸を落とさないようにマロラクティック発酵はしていません。
マグネシウムを1haあたり1〜2g撒いている為、酸が押さえられます。
発酵時期に10日毎に5回行っています。
「辛口はあまり酸が高くない方が好ましいと考えている。ワインには良い骨格があり満足しています。」


                                  1,760円(本体価格1,600円)

<スクリューキャップ>
KA−409は、只今品切れ中(2023年12月12日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。








クーベーアーにする畑が毎年変わるので、グーツワイン表示としました
KA−348 2019 Barthen Rirsling Q.b.A.

バルテン リースリング クーベーアー 750ml 
《白》【甘口】葡萄品種:リースリング
残留糖度:32.48g/(`18年参照)
酸度:5.7g/l(`18年参照)
〔スクリューキャップ〕

クーベーアーにする畑が年によって変わるため、生産者名を付けたグーツ(Guts)ワインとしました。
二つのタンクを使用しています。
ひとつは天然酵母を使用し、クーリングダウン(温度を下げる)で発酵を止め、
もう一つは、特別酵母を使用し、ズースレゼルヴを加えて甘みを出しています。
この二つのタンクをブレンドし、バランスのとれた甘みにしています。
生産量は僅か4,000本のみです。
リーズナブルな価格のワインですが、実は入手するのが難しいワインです。

           1,650円(本体価格1,500円)

KA−348は、只今品切れ中(2024年3月1日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。












生産する1フーダー全てをインポーターに分けています
KA−365 2017 Wehlener Sonnenuhr Kabinett

ヴェレナー ゾンネンウーア カビネット 750ml 
《白》【やや甘口】葡萄品種:リースリング
残留糖度:35.7g/l
酸度:6.1g/l

ヴェーレンのゾンネンウーア「日時計」と名付けられた超一流畑からのワインです。
ヴェレナー ゾンネンウーアの特徴は細かく砕けたs−ファーに少し粘土が混じっていることです。
はきはきとした軽快な酸と果実味があります。
甘さを感じながらも余韻はさわやかです。
`14年VTは、区画整理に伴う植樹から3年の若木からの初収穫です。

         1,760円(本体価格1,600円)    












日本市場のために造る、特別なキュヴェ
KA−581 2018 Kestener Paulinsberg Spätlese Trocken
ケステナー パウリンスベルク シュペートレーゼ トロッケン 750ml  
《白》【辛口】葡萄品種:リースリング
残留糖度:3.3g/l
酸度:6.3g/l

発酵は選別酵母で、ステンレスタンクを使い、18 20 度の温度で比較的長い 2 週間行います。
このような長い発酵をしても酸度は落ちません。
発酵の後、清澄、濾過し1月にボトリングをします。
香りには、はっきりとしたミネラルの要素、レモンやグレープフルーツの柑橘系の果実やフレッシュなハーブが感じられます。
2018 年 は10 月 11 日に収穫しました。
2018 年は夏が暑く、葡萄が非常に良く熟し、酸度が低めだったため、これ以上酸度が下がらないよう、マロラクティック発酵を行っていません。

     2,200円(本体価格2,000円)

<ケステナーパウリンスベルクの畑の特徴>
小さなサイズ(灰色粘板岩と青色粘板岩が主。鉄分を含む赤色粘板岩も少し含まれる)のスレートが多くあります。
暑い年には、スレートが細かいほうが保水性は高くなります。
パウリンスベルクの畑は大半が南東向きです。
ケステンはピースポート(土中の水分量が多い土壌)とブラウネベルグ(乾燥した土壌)の間にあり、パウリンスベルクは 2 つ村の中間の特性を持っています。
土壌の粘板岩が脆く細かいため、ブラウネベルグより地中の水分含有量(保水性)が高く、暑さに耐え得る土壌です。








KA−504 2015 Kestener Paulinshofberg Spätlese
ケステナー パウリンスホフベルグ シュペートレーゼ 750ml  
《白》【甘口】葡萄品種:リースリング
残留糖度:59.0g/l
酸度:8.2g/l
樹齢:6年


ケステナー パウリンスホフベルグの畑は、斜度が60%、南南西を向いています。
土壌はデヴォン紀の灰色スレート。
この畑は新しく植えられたもので、樹齢は6年です。
土壌の大部分は風化したスレートで、細かく砕かれたスレート岩がローム質となります。
スレート土壌の斜面の畑は、土中深くなるほど、ローム質の割合が多くなります。
ローム質が多ければ、保水性が高くなります。
2011,2014,2015年と言った乾燥した年でも、ローム質が多いため、
乾燥のストレスをあまり受けることがありません。
発酵は温度コントロールされた1,000リットルのステンレスタンクで約28日間行います。
ボトリングまで澱とともに寝かせます。
穏やかな甘さと同時にリースリングの持つしっかりとした酸がワインに活気を与えています。

                          2,420円(本体価格2,200円)
KA−504は、只今品切れ中(2021年7月5日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。






`16VTから、シュペートレーゼは、自家畑のパウリンスベルクから造っています
KA−549 2016 Kestener Paulinsberg Spätlese
ケステナー パウリンスベルグ シュペートレーゼ 750ml  
《白》【甘口】葡萄品種:リースリング
残留糖度:41.3g/l
酸度:7.4g/l

畑は、ロームが混ざった細かい粘板岩です。
保水力が高いので、`16VTのような乾燥した年には有利です。
選別酵母を使い、温度管理した1,000Lのステンレスタンクで約28日間発酵させます。
ボトリングまで澱と共に寝かせます。
穏やかな甘さと同時にリースリングの持つしっかりとした酸がワインに活気を与えています。

      2,420円(本体価格2,200円)