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【Château Cantegril:シャトー カントグリル】

栽培と醸造の知識と技術をもって世界で活躍する醸造コンサルタントは、現代のワイン産業を根本から動かしていると言って過言ではありません。
中でも世界的なコンサルタントとしてワイン界にひときわ強い影響を及ぼしてきた白ワインのスペシャリストがドゥニ・デュブルデュー教授です。

 

デュブルデュー教授は、白ワインの醸造の専門家の中でもトップクラスで、醸造における科学の重要性を世に知らしめました。
「ボルドー白ワインの法王」と呼ばれ、その功績を高く評価されてきました。
1987年からボルドー大学の醸造学部で教鞭をとり、酵母、アロマ、膠質(こうしつ)に関する研究を続ける傍ら、同時に家族のワインビジネスを受け継ぎ、
学業を極めながらシャトー・レイノンの最高責任者として当初問題をかかえていたシャトー・レイノンのワインをアペラシオン内でも最高のクオリティを持つ格別なワインへと成長させました。

 

デュブルデュー家は代々ワイン造りの名門として知られ、ソーテルヌ、グラーヴ、キャデラック・コート・ド・ボルドーに計135ヘクタールの5つのワイナリーを運営しています。
この由緒ある家族経営のワイナリーは、年間約60万本のワインを生産し、そのうち60%が輸出され、40か国で愛飲されています。
初代ピエールは、17941945年まで伝説的なヴィンテージワインで名声を博し、2代目のジョルジュは約50年にわたりワイン造りのエスプリを継ぎ、3代目のドゥニは、白ワインの醸造で不動の評価を確立しました。

 

2016年にデュブルデュー教授が享年67歳でその生涯を閉じると、息子のファブリスとジャン・ジャックがデュブルデュー家のドメーヌを受け継ぎ、
長男のジャン・ジャックがマーケティングやプロモーションを手掛ける一方、次男のファブリスは技術マネージャーを務め、デュブルデュー家に代々伝わるワイン作りのノウハウと伝統的味わいを守り抜いています。

ジャン・ジャック・デュブルデューより■ ソーテルヌは、ガロンヌ川左岸に位置する小さなアペラシオンで、ボルドー全体の僅か2%に過ぎない。
AOC
ソーテルヌは5つの村から成り、その1つがバルサックだ。ソーテルヌの土壌が粒の細かい砂利を多く含むのに対し、バルサックの土壌は石灰岩質で、ゴロゴロした大きな石を多く含む。
河が近くにあるため頻繁に霧が発生し、貴腐菌の繁殖を助けてくれる。貴腐菌が熟れたブドウに付着し果皮を侵食すると、ブドウ内部の水分が蒸発し、糖分と果実味が濃縮された貴腐ブドウが出来る。
貴腐菌が繁殖するスピードは一定ではないため、収穫は23段階に分けて行う。ブドウが熟す時期と貴腐菌が付着するタイミングが合わないと凝縮した貴腐ブドウが出来ないため、貴腐ブドウの栽培には大きなリスクが伴う。
セミヨンは、ブドウの熟す時期と貴腐菌が蔓延するタイミングが重なりやすく、他の品種に比べリスクが低いため、貴腐ワインに多く用いられる。ワインは熟成するにつれ酸化していくが、酸化の原因となるタンニンは、果皮から作られる。
貴腐ブドウの場合、貴腐菌が果皮を侵食するため、酸化作用に強いワインが出来る。栓を開けた後も酸化作用自体が起こりにくく、極めて熟成力が高いため、収穫年から最低でも10年間は熟成が効く寿命の長いワインとなる。


Chateau Cantegril シャトー・カントグリル

バルサックの石灰岩台地に22ヘクタールの単一畑が広がるシャトー・カントグリルは、ドゥニ・デュブルデューの母方の曽祖父が1924年に購入したシャトーです。
厚い石灰岩の母岩に砂状の粘土が連なるバルサックに典型的な土壌で、洗練されたエレガントな貴腐ワインを生みます。
2級シャトーのドワジーデーヌと同様の
手間暇をかけて造られ、お手頃な価格ながらもその味わいは秀逸で、甘く優美な果実味にフレッシュな酸と美しいバランスを湛えています。
酒齢の若いうちから楽しめる味わいですが、卓越した長期熟成ポテンシャルを秘めた貴腐ワインです。






2016 Château Cantegril
シャトー カントグリル 750ml  
《白》【甘口】

カントグリルの土壌は、バルサックに典型的な石灰岩の分厚い母岩の上に砂状の粘土が層を成し、エレガントな白ワインを生みます。
石灰岩の分厚い母岩は、ドワジーデーヌの土壌よりもやや地中深くにあり、やや多孔質な石灰岩は冬の間にブドウの根に十分な水分を供給するため、
干ばつに強く、極端な水不足を免れることが出来ます。

■テクニカル情報■ 産地:ガロンヌ川左岸ソーテルヌ地区バルサック(AOCソーテルヌ)
 味わい:甘口(白) 
樹齢:30年以上

2014年】 品種:セミヨン92%、ソーヴィニヨン・ブラン8% 
2015年】
品種:セミヨン93%、ソーヴィニヨン・ブラン7

畑面積:18.3ha(植樹比率:セミヨン65%、ソーヴィニヨン・ブラン35%) 
年間生産量:約55,000

醸造:貴腐菌が到達した頃合いを見計い36度に分けて手摘みで収穫し、貴腐菌により濃縮された果実を長時間かけて優しく圧搾し樽発酵。
樽は4年ごとに新樽と入替。定期的にウィヤージュと澱引きしながら9ヶ月樽熟成させ、ステンレスタンクで更に9ヶ月熟成。


                       5,400円(本体価格5,000円)
ごめんなさい、只今品切れ中(2020年7月27日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。

 

■コメント■ 淡い緑色を帯びた黄金色。砂糖漬けのレモンと白桃のアロマが香ります。滑らかで艶のあるテクチャーを湛え、洋梨の果汁を絞ったような円やかでピュアな果実味が広がります。フレッシュな爽快感と甘みが美しく調和し、重みを感じさせないハリのある味わいと絶妙なバランス感を保っています。焼き網で焦がしたような仄かな熟成香が余韻に広がります。

 

2015VT★ワインスペクテーター902018331日 (飲み頃:20182025年) 鮮やかで親しみやすいスタイル。クリーミーな洋梨、桃、ミラベルプラムのアロマが、ハニーサックルやヒースの仄かな香りと共に絡み合う。後味はよく開いた柔らかな味わいで、ピリリとしたほろ苦い柑橘系果実の風味が余韻に広がる。飲み頃は今から2025年頃まで。生産量2333ケース。

 

2015VT★ヴィノス87 20182 (飲み頃:20182025) 心地よい深みと粘性のある伸びの良い味わいで、砂糖漬けのレモンピールを思わせるフローラルなアロマが感じられる。